Record China 2023年12月6日(水) 5時0分
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中国メディアの観察者網は4日、「欧州の環境団体の報告書によると、欧州の自動車会社は電気自動車(EV)用バッテリー原料競争で中国と米国のライバルに後れを取っている」とする記事を掲載した。
中国メディアの観察者網は4日、「欧州の環境団体トランスポート&エンバイロメント(T&E)の報告書によると、欧州の自動車会社は電気自動車(EV)用バッテリー原料競争で中国と米国のライバルに後れを取っている」とする記事を掲載した。
記事によると、英紙ガーディアンはこのほど、「ブリュッセルに本拠を置くT&Eが分析した公開情報によると、欧州の自動車メーカーは、2030年までの販売目標を達成するために必要なEV用バッテリーの主要原材料(コバルト、リチウム、ニッケル)のわずか6分の1しか確保しておらず、米国のテスラや中国の比亜迪(BYD)に大きく後れを取っており、こうした状況はグリーンテクノロジー資源の争奪戦を浮き彫りにしている」と報じた。
ガーディアンによると、世界2大EVメーカーであるテスラとBYDは、主要原材料へのアクセス確保において、ドイツのフォルクスワーゲン(VW)とオランダのステランティスを除く多くの欧州のライバル企業よりもはるかに先を行っていることが研究者らによって判明した。
分析によると、リチウム、コバルト、ニッケルの長期供給計画がある、またはそれらへの依存から脱却するための措置を講じる計画があるメーカーは、テスラ、BYD、VW、フォード、ルノー、ステランティスの6社だけで、メルセデス・ベンツはそれらの供給に関する公的契約を1件のみ締結しており、BMWはニッケルやコバルトなどの入手に関する情報提供が不十分だ。
自動車メーカーの中には、サプライヤーとの間に秘密協定を結んだり、高価なコバルトやニッケルの使用を削減または廃止する方法を模索したりするところもある。それにもかかわらず、公開された契約に詳述された供給不足の規模は、自動車メーカーがEVの販売目標を達成するために戦わなければならないことを示唆している。
T&Eで車両・eモビリティ担当シニアディレクターを務めるジュリア・ポリスカノバ氏は、サプライチェーン戦略が「欧州におけるEV移行の勝敗を決定し、一部の企業を時代遅れにする」とし、「(欧州の)自動車メーカーのEV販売目標と重要な鉱物戦略の間には明らかな乖離がある。テスラとBYDは、バッテリー金属の確保という課題に目覚めたばかりの欧州のほとんどの企業よりもはるかに先を行っている」と語る。
ガーディアンによると、この分析は、一部の主要材料の需要が今後10年間で供給を大幅に上回るというデータ会社ベンチマーク・ミネラル・インテリジェンスの予測と一致している。ベンチマークは、中国、欧州、そして米国が急速にガソリンやディーゼルから離れていくため、リチウム需要は2030年までに4倍になると予測している。しかし、その予測によると、2030年の世界のリチウム生産量は270万トンで、39万トンが不足するとみられる。コバルトとニッケルの不足も予測され、ガソリン車やディーゼル車からの移行のペースを制限する可能性がある。
ベンチマークの最高データ責任者、カスパー・ロールズ氏によると、大規模な採掘プロジェクトでは、大規模な原料生産を開始するまでに通常少なくとも5年、資金調達が必要な場合は7年もかかる。つまり、30年までに供給を増やすためには、今後1~2年以内に投資判断を下す必要がある。(翻訳・編集/柳川)
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