デフレ懸念再燃、中国11月の消費者物価指数が下落―独メディア

Record China    2023年12月11日(月) 17時0分

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独メディアのドイチェ・ヴェレは12月9日、中国国家統計局が発表した11月の消費者物価指数と生産者物価指数は共に前年同月比で下落し、中国の景気回復への道は依然厳しいとの見方を示した。

ドイツ国営国際放送局ドイチェ・ヴェレ(中国語版)は12月9日、中国国家統計局が発表した11月の消費者物価指数と生産者物価指数は共に前年同月比で下落を示し、中国の景気回復への道は依然厳しいとの見方を示した。

中国国家統計局が発表した最新データによると、11月の消費者物価指数(CPI)は前年同月比で0.5%減、同月の生産者物価指数(PPI)も前年同月比で3%低下し、14カ月連続の下げを記録した。

記事はCPIがデフレを占う重要な指標であると指摘。「デフレは悪性循環の下降スパイラルを招き経済成長をより遅らせる傾向にあるため、多くのエコノミストはインフレより危険であると考えている」とし、その脅威の要因として「消費者による買い控え、需要減による企業の減産、投資削減、人員整理、安値による不良在庫処分」を挙げた。また中国の製造業は今年6月、需要減に伴い、過去7年半で最大の下げ幅となる値下げを行ったと伝えた。

記事によると、中国国家統計局都市部の董莉(ドン・リー)首席統計官はCPIの下落について、「国際原油価格の反発に伴い、一部の工業製品の需要が弱まったことが原因だ」と指摘している。

中国国営の新華社通信によると、中国の今年第3四半期のGDP成長率は4.9%と今年度目標の5%をやや下回り、12月8日に開かれた中国共産党中央委員会政治局会議において、習近平(シー・ジンピン)国家主席は内需拡大に注力するよう強調した。習主席はさらに「内需拡大、経済構造の最適化、信頼感の促進、リスクの除去と予防に注力」するよう強調、「新たな発展パターンの構築を加速させ、ハイレベルな科学技術の自立を推進」するよう指摘し、「世界第2の経済大国である中国のコロナ禍以降の経済回復は、『いまだ重要な段階』にある」と述べたという。

新華社の記事はさらに、習主席が国家統計局の最新データが発表される前の6日、党外有識者とのフォーラムにおいて、「中国経済が直面している情勢は複雑かつ錯綜しており、国際的な政治経済環境がもたらす不利な要因も増え、国内の循環的・構造的矛盾が重層化している」と述べたことも伝えた。

米ブルームバーグはエコノミストから、「不動産市場の低迷を打ち消す触媒が十分でなく、不動産不況が内需と価格に影響を与えているため、中国のデフレリスクは2024年まで続く」との予測が出ていると報道。アジア最大規模のヘッジファンドであるピンポイント・アセット・マネジメント(Pinpoint Asset Management)の張志偉(ジャン・ジーウェイ)チーフエコノミストの「内需の疲弊とデフレ圧力の増大は経済を支援する財政政策の重要性を浮き彫りにした」との見解も伝えた。(翻訳・編集/榊原)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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