中国の若者がお寺に殺到、現実生活からの解放求め―シンガポールメディア

Record China    2023年12月17日(日) 5時0分

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10日、シンガポール紙・聯合早報は、中国の若者が仏教のお寺に駆け込むケースが相次いでおり、その背景について紹介する記事を掲載した。

2023年12月10日、シンガポール紙・聯合早報は、中国の若者が仏教のお寺に駆け込むケースが相次いでおり、その背景について紹介する記事を掲載した。

記事は、広東省深セン市の社会福祉関連企業で副社長を務めていた女性の劉(リウ)さん(31)は今年10月に仕事上の壁にぶつかり、人生の新たな方向性を見つけるために会社を辞めた後、同市内にある寺で2週間近くボランティアとして働き「充実した悠々自適の生活」を送っていると紹介。「仕事を辞めてずっと家にいると、思考が混沌としてくる。 お寺は心地よく、清らかな気持ちにさせてくれるので、これまでとは違う生活を経験するために、住み込みのボランティアとしてここに来た」と動機を語ったことを伝えた。

そして、寺での劉さんの仕事は、野菜を洗ったり、切ったり、まんじゅうを包んだり、食器や皿を洗ったり、掃除したりと家事全般の多岐にわたり、本人は「両親と同居していて、これまであまり家事をしてこなかった。皿洗いなど何十年もやっていなかった」と笑いながら仕事をこなしているとした。また、毎日の肉体労働は6時間におよび、それに加えて朝晩の読経、写経などの自己修養も行わなければならないものの「とても充実した毎日を過ごしている」と明かしたことを紹介している。

その上で、中国社会の「内巻」(内部競争)が激化する中、仕事や生活のプレッシャーに直面した際に仏門をたたき、自由なライフスタイルを追める若者が増えていると指摘。11月中旬に同市内にある2つの仏寺を訪問したところ、平日でも参拝客が絶えず、その半数以上が若者だったと紹介したほか、寺には線香を渡す係、寺の秩序を守る係、掃除の係など若いボランティアが数多くいたと伝えた。

記事は、現代の若者が「仏を拝む」という現象は自身の内面にある不安や混乱の表れと言え、寺でのボランティアは、彼らが自己治癒を求め、直面する現実から短期的に逃避するための手段であるとの分析もあると紹介。広東省広州市の心理カウンセラーが「多くの若者は仏教徒ではないし、宗教的な思想で仏教にアプローチしているわけでもない。彼らは仏教の慈悲の文化による薫陶を受け、実践によって心を養うとともに休ませることで、他人を益すると同時に自分自身を成長させ、将来の道を見いだしたいと願っているのだ」と解説したことを伝えている。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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