中国経済の回復はなぜ「脆弱」なのか―独メディア

Record China    2023年12月16日(土) 7時0分

拡大

14日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国経済の回復が脆弱な理由について分析する記事を掲載した。

2023年12月14日、独国際放送局ドイチェ・ヴェレの中国語版サイトは、中国経済の回復が脆弱(ぜいじゃく)な理由について分析する記事を掲載した。

記事は、世界銀行が14日、来年の中国経済の成長率を今年の予測値5.2%から4.5%にまで落ち込むとの予測を示し、報告書の中で「伝染病の影響に加え、不動産セクターの低迷、中国の輸出に対する世界的な需要の低下、高い債務水準、消費者の信頼感の欠如などが、景気回復の脆弱さにつながっている」との認識を示すとともに、25年の成長率はさらに4.3%へと減速する可能性があると指摘し、経済成長回復のためには広範な構造改革によって消費を回復させる必要性を強調したと伝えた。

また、中国が11〜12日に毎年恒例の中央経済工作会議を開催し、来年の経済政策について議論したことについて、マッコーリーグループのエコノミスト、ラリー・フー氏が「来年のGDP成長率を今年とほぼ同水準の5%前後とする可能性が高い」との見解を示した一方で、シティバンクのアナリストは「大規模な消費者支援政策を打ち出す兆候は見られず、家計所得の増加に関する詳細な議論もなかった」と指摘し、UBSのアナリストも「成長を阻む力と、今回の会合で打ち出された控えめな支援政策を考慮すると、5%の成長レベルを達成するのは非常に困難であり、来年の成長率は4.4%まで鈍化する」との予測を示すなど、経済回復のカギを握るとされる消費回復に向けた強力な施策が打ち出されなかったとの見方が広がっていることを紹介した。

その上で、米クレアモント・マッケナ大学の裴敏欣(ペイ・ミンシン)教授が米ブルームバーグで発表した文章の中で「中国経済のファンダメンタルズは、欧米メディアのヘッドラインニュースが報じるよりも強そうに見える」とする一方で、より大きな問題として「中国の企業家は、中国共産党が内部のチェックアンドバランスの機能しない個人統治に逆戻りしているため、経済に変化の見込みがないと見ている」ことを指摘、この傾向を覆すことができなければ、習近平(シー・ジンピン)指導部に対する民間企業家の信頼は失墜し、投資と雇用創出が阻害されることになると論じたほか、「真に活気ある回復には、習氏と中国共産党が容認しないであろう政治改革が必要だ」と評したことを伝えている。

記事は、格付け会社ムーディーズが5日、中国のソブリン格付けをA1に据え置く一方で、「政府と国有企業が経済的に疲弊している地域に財政支援を行う必要性を示す材料がさらに増え、中国の財政、経済、制度的な立場に広範な下振れリスクをもたらしている」ことから、見通しを「安定的」から「ネガティブ」に修正したと紹介。これに対し、中国政府がさまざまな公式声明や公式メディアを通じてムーディーズの動きを攻撃、非難しているとした。(翻訳・編集/川尻

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携