Record China 2023年12月25日(月) 7時0分
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中国メディアの参考消息は19日、中国抜きのサプライチェーン(供給網)構築は困難だとする米ウォール・ストリート・ジャーナルの記事を取り上げた。
記事はまず、「中国を除いてサプライチェーンを構築するのは困難だ。アシナシトカゲや、放射性物質が付着した砂に対処しなければならないこともある」とし、レアアース(希土類)磁石の生産に言及した。
記事は「スマートフォンや電気自動車(EV)のみならず、ジェット戦闘機や風力タービンに欠かせないレアアース磁石の生産がまさにそうだ」「中国は数十年にわたりレアアース磁石の全生産工程で優位に立ってきた。レアアース磁石を大規模に一貫生産できるのは中国だけだ」「米欧では現在、中国が関与しないレアアース磁石の需要が高まっており、さまざまな企業が世界中に広がるサプライチェーンをつなぎ合わせ、中国の市場優位を打破しようとあらゆる障害に立ち向かっている」「世界のレアアース採掘の3分の2は中国で行われている。同国は鉱石の約85%を精錬し、レアアース磁石の90%以上を生産している」とし、磁石の国産化を目指す米企業に対し、中国が無関与のレアアースを供給する契約を結んでいるオーストラリアン・ストラテジック・マテリアルズ社と、中国を除いた磁石のサプライチェーン構築を目指しているカナダのネオ・パフォーマンス・マテリアルズの取り組みについて伝えた。
記事は「新興ベンチャー企業であるこの2社は、中国のような低価格を実現することはできない。だが両社によると、西側の自動車メーカーや防衛関連メーカーの一部は、高くても中国がほぼ関与していない磁石の購入に前向きだ」と伝えた。
記事によると、ネオ・パフォーマンス・マテリアルズのラヒム・スレマン最高経営責任者(CEO)は「埋めなければならない大きなギャップがある」と指摘する。記事は「サプライチェーンを新たに構築するには、点と点をつなげる必要がある。企業は広範囲にわたるネットワークをつなぎ合わせており、その過程で障壁にぶつかっている」「米国とオーストラリアはレアアースを採掘しているが、大規模な精錬はできない。マレーシアは鉱石を製錬できるが磁石は作れない。日本は磁石を製造できるが鉱山がない」と伝えた。
記事はまた、英市場調査会社プロジェクト・ブルーの調査責任者デービッド・メリマン氏の「分散はしているが友好国同士のサプライチェーンを構築することが、おそらく最も実現性が高いとみられている」「強調しておかなければならないのは、中国がはるかに先を行っているということだ」とのコメントも紹介し、「メリマン氏によると、磁石製造において西側企業が頼れる知見は限られたもので、資金提供者に事業の持続性を納得させるのが難しいことが多い。厳しい環境要件があるため、鉱山を採掘するのも容易ではない。『いくつもの難関を突破する必要がある』とメリマン氏は言う」と伝えた。
記事は、オーストラリアン・ストラテジック・マテリアルズについて、「同社はオーストラリア東部に採掘場を所有しているが、環境規制に基づき、採掘を始める前にそこに生息する希少種のトカゲを移動させる必要があった。数年前に同社の専門家はまず、荒れ地に瓦のようなタイルを並べた」「ミミズに似たこのトカゲは、主に地中に生息しており、タイルをすみかにし始めた。タイルを少し動かすと、トカゲはそれを追いかける。これを繰り返し、鉱山から立ち退いてもらった」と伝えた。
ネオ・パフォーマンス・マテリアルズについては、「独自の課題にぶつかっている」とし、「同社はすでに中国で磁石を製造しているが、中国産以外のレアアースへの需要増に対応するため、別のサプライチェーンの構築に着手した」「オーストラリアやベトナム以外で同社が目を付けたのは、米南部ジョージア州の鉱石だった。ただ問題があった。砂の中に、放射性物質が潜んでいた」「抽出された原料にはさまざまな種類のレアアースが混在しており、分離する必要があった。中国以外でこれを手掛けているのは数社しかなく、大量に処理できる企業は米国にはない」などと伝えた。(翻訳・編集/柳川)
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