中国が米国人の入国手続きを簡素化、対中投資の低迷受けビジネス目的の訪中促進か

Record China    2024年1月1日(月) 11時0分

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中国当局は米国人の入国手続きを簡素化した。対中投資の落ち込みなどを意識した、ビジネス目的の中国訪問を促進する措置との見方がある。写真は米国のパスポートを持つ旅客の手。

中国当局は1月1日から、訪中を望む米国人に対するビザ発給手続きを簡素化する。同措置は、発表が直前の12月29日だったことでも注目された。同措置はについては、対中投資の極端な落ち込みなどを意識した、ビジネス目的で訪中する外国人を増やすことが念頭にあるとみられている。

新たな措置では、中国への旅行を希望する米国人が入国ビザを申請する際に、これまで求められていた往復航空券、ホテルの予約証明、旅程表、中国側からの招待状の提示が免除された。

中国はこれまでにも、入国手続きを簡素化する措置を進めてきた。代表的な例として、2023年12月1日に「1年間の試行」として、ドイツ、フランス、イタリア、オランダ、スペイン、マレーシアの旅券所有者に対して、ビザなしの入国と短期滞在を認める措置を実施したことなどがある。

しかし、中国を発着する国際便と人の数は感染症発生以前の水準には回復していない。英国に本社を置く旅行データ提供会社のOAGによると、23年に中国を発着した国際便の11月の利用者は、19年比43%減の477万8731人だった。

OAGによると、中国と韓国、日本、香港、台湾に向かう便の利用者数は、フランス、イタリア、米国への便よりもはるかに速いペースで回復しているが、それでも中国に出入国する人の数はいずれの路線でも流行前の水準を大きく下回っている。

ドイツ・メディアのドイチェ・ヴェレによると、在中ドイツ企業の団体である中国ドイツ商工会議所のイェンス・ヒルデブラント執行役員は、米国人に対するビザ取得手続きの緩和を歓迎するとして「中国政府が、より多くの投資家を中国に呼び込むために、非従来型の取り組みを行う意欲を持つことを示すもの」との見方を示した。

ヒルデブラント執行役員は、中国に対する投資意欲などは長期間続いた厳しいコロナ対策で冷え切ってしまい、今回の措置が所定の目的を達成できるかどうかは不明とした上で、中国側は信頼を回復するために、より多くの開放的な取り組みと具体的な措置を必要とするとの見方を示した。

外資による対中投資は、落ち込みが止まらない状態だ。中国国家外貨管理局によると、23年7-9月期の、海外からの直接投資は118億ドル(約1兆7600億円)のマイナスだった。外資による対中投資がマイナスになったのは1998年以降で初めてで、外資企業が中国事業の縮小や撤退などを進めたことを示すとされる。また、直前の23年4-6月期の対中投資は前年同期比87.1%減の49億ドル(約7100億円)で、減少幅は過去最大だった。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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