日本航空の乗務員らの事故対応は「最適解」、中国の専門家がこぞって称賛「乗客も素晴らしかった」

Record China    2024年1月11日(木) 15時0分

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羽田空港で2日に発生した航空機衝突事故で旅客機の乗員乗客379人が無事生還したことについて、中国メディアの紅星新聞は「運だったのか、それとも“教科書式避難”が奏功したのか」との記事を掲載した。

東京・羽田空港で2日に発生した航空機衝突事故で、日本航空の旅客機に乗っていた乗員乗客379人が無事生還したことについて、中国メディアの紅星新聞は10日、「運だったのか、それとも“教科書式避難”が奏功したのか」との記事を掲載した。

記事は事故について、「着陸した日本航空のエアバスA350-900が海上保安庁の航空機と衝突し出火、幸いにも旅客機の乗員乗客379人は出火から約18分以内に全員が安全に避難を完了していた」と説明。8日には事故によって閉鎖されていたC滑走路の使用が再開されたことを伝えた。

そして、「今回の航空事故は広く注目を集め、一部では避難開始までに時間がかかり、全員が無事に避難できたのは運が良かったとの指摘がある一方、今回の避難誘導は“教科書的”と言えるほど啓発的意義のあるものだったとの見方もある」と紹介。「規定では客室乗務員はコックピットからの指示でドアを開かなければならないが、今回の事故ではシステム故障により意思疎通ができない状況だったため客室乗務員が自らの判断で後方のドアを開けて乗客を避難させた。この方法は適切だったのだろうか」とし、中国の専門家の見解を伝えた。

ベテランパイロットの陳建国(チェン・ジエングオ)氏は、「航空各社によって規定は異なる」と前置きしつつ、「例えば30秒あるいは60秒、パイロットと連絡が取れない状況においては、チーフパーサーが緊急避難が必要かどうかを判断しなければならない。これは非常に難しく、重要なポイントでもある」と指摘。「30秒ないし60秒待つ理由は、パイロットらは状況チェックや緊急対応の必要がある場合があり、その間、連絡できない可能性があるからだ。乗務員が自ら避難を決定するのは、内部の連絡システム、あるいはコックピット自体がすでに機能していない時だ」と解説した。

同じくパイロットである邱(チウ)氏は「民間航空の規定では90秒の黄金ルールがある。それは、避難を決定してから90秒で全員の避難を完了させなければならないというもの。客室乗務員は特殊な状況下では避難を決定する権利があるが、通常はコックピットの許可を得なければならず、ベストなのはコックピットの指示を受けてから行動すること。しかし、機長らはエンジンを停止させるなどやらなければならないことがある場合もある。日本航空の乗務員らは煙が充満し、コックピットと連絡が取れない状況下で速やかに避難を誘導した。素晴らしかったと思う」と称賛した。

陳氏は「客室乗務員は自らの状況確認のみで的確に判断して3つのドアのみを開けた。これは最も重要な要素の一つ。避難するか否か、どのドアから避難するかの判断は、内部の連絡システムが作動していない状況下では直ちに行うことができない。映像を見る限り5分余りがかかったようだが、やみくもに非常扉を開けると2次被害につながる可能性がある」と指摘した。

緊急時には客室内の秩序を保つことも重要だ。客室乗務員として10年勤務する呉(ウー)さんは「乗客も乗務員も、緊急事態を前にすると恐怖が生じる。日本航空の乗務員は冷静で秩序ある行動によって乗客全員の生命の安全を保証した。最適解だった」と称賛した。陳氏も「客室内でパニックが生じていれば乗務員間で効率的な情報伝達ができなかっただろう。避難時にも乗務員は荷物を持たないよう呼び掛けており、乗務員としての専門性および乗客の安全と迅速な避難を最大限に保証していることが現れている」と評した。

また、機長が最後に避難したことについて陳氏は「機長は最終的な責任者としての職務を全うした」と述べ、「私としては、機長や乗務員、秩序を保った乗客らに称賛を贈りたい」と語った。

中国情報協会常務理事で国研新経済研究院創設院長の朱克力(ジュウ・カーリー)氏は「今回の事故では、航空事故救援における専門的な訓練と経験の蓄積が十分に体現された」とし、「負傷者に対する救助隊員の細やかな配慮や、複雑な環境下で冷静さと専門性を保った姿勢は、学び、参考にすべきものだ」とたたえた。

今回の事故で機体が全焼する前に全員が避難できたことは運が良かったという声も出ているというが、陳氏は「連絡システムが作動せず、コックピットからの指示もなく、避難するドアをすぐには決定できないという状況を総合的に見ると、私は仮に同じ状況に直面したとして、完璧に未来を予測して意思決定はできないと感じた。そのため、当時の乗客、乗務員、機長は十分に素晴らしかった」と語った。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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