中国製の旅客機が「空を制する?」、米ボーイング「737MAX9」事故で中国メディア

Record China    2024年1月27日(土) 9時0分

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米航空機大手ボーイング社製の「737MAX9」事故を受け、中国メディアは「中国製の旅客機に『空を制する』ための予期せぬ機会を提供する可能性がある」と報じた。写真はC919。

米国航空機大手ボーイング社製の旅客機「737MAX9」が1月5日、飛行中に非常ドアが吹き飛ぶ事故を起こした。中国メディアは英国デイリー・テレグラフ紙の「ボ社は嵐の鎮静化に必死」との記事を紹介。「今回の事故は中国製の旅客機に『空を制する』ための予期せぬ機会を提供する可能性がある」と報じた。

中国が期待を寄せているのは、国産旅客機「C919」。中国商用飛機(COMAC)製で昨年5月に初めて商用飛行を開始した。中国政府が大々的に展開する「中国製造2025」政策の旗頭的な存在だ。

C919について、中国網は「ボ社の今回のトラブルで中国の計画は実現可能となるのか?」と前置き。「中国がこのプロジェクトに多額の投資を行い、欧米の航空宇宙企業と広範な協力を展開しているにもかかわらず、C919の受注件数はまだ期待を下回っている。C919は当初、中国国外では懐疑的な目で見られ、嘲笑さえされていた。最近まで、シンガポールの航空コンサルタント会社エンダウ・アナリティクスのシュコア・ユソフ氏も懐疑論者の一人だった」と続けた。

しかし、C919が出荷され、COMACの受注が国内外で着実に増えるのに伴い、ユソフ氏はすぐに態度を変えた。同氏は「世間では『メード・イン・チャイナ』というレッテルへの否定的な見方が根強いが、その認識は薄れつつある」と語った。

C919は昨年、海外から初の受注を獲得した。ブルネイに本社を置くギャロップエアは15機のC919をはじめとする中国製航空機30機の購入に合意した。ユソフ氏は「関連の航空会社にとってC919購入のようなビジネスケースがますます軽視できなくなる。それに伴い、アジア・アフリカ・東欧の他の国々にも同様の動きが広がる可能性がある」と予想する。

中国網は「737シリーズとの競争は簡単なことではない」と指摘。同時に「737は史上最も売れている民間旅客機シリーズであり、約200の国と地域で5000社以上の航空会社が運航している。C919の成功は他の要因ではなくボ社の『自ら招いた損害』にかかっているのかもしれない。米大手航空会社で不安定な動きに落胆の声が広がるなか、中国のC919に賭ける航空会社も出てくるかもしれない」とも述べた。

一方でC919に関しては「本当に『メード・イン・チャイナ』なのか」と疑問視する見方もある。

米CNNは初の商用飛行直後、「米シンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)が2020年に行った分析による推計では、C919の主要または大型部品のおよそ90%が欧米製で、中国やアジア諸国で製造された部品はわずか10%だった」と報道。中国の国営英字紙グローバル・タイムズも「C919が輸入製品に依存している中、国産航空機と呼べるのかという疑問が一部から持ち上がっている」という論説記事を掲載したことがある。(編集/日向)

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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