Record China 2024年1月27日(土) 18時0分
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中国メディアの工人日報は25日、「サッカーボールと友達に」と題する記事を掲載した。
記事は、現在カタールで開催中のサッカーのアジアカップについて「サッカーファンとしてこの大会を見るかどうかは問題だ。見るとすれば、中国は存在感が希薄で、ファンの心は寒々とし、海外メディアにも嘲笑され、中国人審判までが受けるべき尊重を受けられない(様子を目にする)。見なければ、日韓など世界レベルのスター選手たちのパフォーマンスを見逃すという残念なことになる」とした。
その上で、サッカーと関連したもう一つのニュースとして、人気サッカー漫画「キャプテン翼」が、作者・高橋陽一氏の体力の衰えなどによって連載継続が困難になり完結する運びになったことに言及。「これもまた多くの人の嘆きを引き起こした。同作は多くの人にとっての青春であり、数多くのサッカー選手たちの夢が始まった場所である」と論じた。
記事は、「『キャプテン翼』とアジアカップは関係がないと思うかもしれないが、同作がなければ今日の日本サッカーもなかったのではないか。一つの漫画がサッカーを変えたというのは言い過ぎのように聞こえるかもしれないが、そこには雄弁に語る事実がある」とし、「同作を読んだ子どもの7割がサッカーを始めたと言われ、実際に複数のプロ選手が影響を口にしている。1981年の連載開始時には11万人ほどだった日本の小学生のサッカー人口は、88年には24万人に増えていた」と紹介した。
また、「40年前の同作の中で、日本と西ドイツが対戦する場面があった。そこでは、主人公の大空翼を擁する日本が、シュナイダー擁する西ドイツに勝利した。それから40年後、日本はワールドカップ(W杯)カタール大会の舞台でドイツを破った。『夢を見て、それを実現する』をこれほど鮮やかに体現したことはないだろう」と述べた。
記事は、同作をめぐって「(作者は)サッカーを知らない」「状況がおかしい」「ばかばかしい」などのツッコミも少なくなく、作者の高橋氏も自分がそれほどサッカーに詳しくないことを認めていたとする一方、「『キャプテン翼』が貴重な点は、友情、熱血、粘り強さ、努力、忍耐という最も純粋なサッカーの価値を伝えていることにある。主人公の翼はサッカーボールを自分の友達だと思っている。こうした純粋な愛と夢が、スポーツ面でリアリティーに欠けるこの作品を豊かで心揺さぶるものにしたのだ」と評した。
そして、「サッカーボールと友達になれば、サッカーが熱のある、気持ちのこもったスポーツになる。サッカーに従事する人は絶えず情熱と力を発揮するようになり、さまざまな奇跡を起こす。これが、同作が世界に示した重要なヒントであり、おそらく日本サッカーが貫き、どん底から栄光へと歩みを進めた精神的な原動力だったのだろう」と推察した。
記事は、「サッカーは非常に公平だ。ボールを友達だと思えば必ず応えてくれ、純粋で美しいサッカーをすることができる。しかし、ただの仕事と考えていると創造性は制限され、能力を十分に発揮することはできない。そして、サッカーを自らの利益や蓄財の道具として利用すれば、必ずその代償を払うことになる」と指摘。「(元中国代表監督の)ミルチノビッチ氏は中国に来てから『態度がすべてを決める』といつも口にしていた。多くの人は納得していなかったが、彼は中国サッカーの痛いところに触れていたのかもしれない。中国のサッカー人たちはこれまで正しい態度が欠けていたようだ」とした。
その上で、「現在の中国に“命をかけたサッカー”はぜいたく過ぎる。ならば、サッカーボールと友達になってはどうだろうか。多くの子どもたちがサッカーボールという“友達”を持つようになって初めて、中国サッカーが好転していく可能性が生まれるのである」と結んだ。(翻訳・編集/北田)
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