Record China 2024年2月1日(木) 7時0分
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中国メディアの第一財経は29日、日本について「自動車帝国の電動の陰影」とする記事を掲載した。
記事はまず、トヨタ自動車の豊田章男会長がこのほど、「全世界では10億人が電気の通っていないところに住んでいる。バッテリー式電気自動車(BEV)1本の選択肢では、すべての方に移動を提供できない」とし、「いくらBEVが進んだとしても、市場のシェアの3割だと思う。あとの7割はハイブリッド車(HEV)なり、燃料電池車(FCEV)なり、水素エンジンなり。そして、エンジン車は必ず残る。それは規制値、政治の力ではなく、お客様や市場が決めることだと思う」との認識を示したことを取り上げた。
記事は、日本は「内燃機関の自動車王国」だとし、日本の自動車産業の歴史を詳細に振り返った上で、新エネルギーへの転換に苦労していると指摘。市場調査会社ロー・モーションによると、電気自動車(EV)の2023年世界販売台数は前年比31%増の1360万台で、うちBEVが950万だったこと、中国におけるEV、プラグインハイブリッド車(PHEV)、FCEVの総称である「新エネルギー車」の23年販売台数は949万5000台で、世界市場の7割近くを占めたこと、新エネルギーの発展が最も速い中国の自動車市場において、日本車は地位を失いつつあり、日系ブランドの中国市場におけるシェアは20年の24.1%から23年は17%へと3年ぶりの低い水準にまで低下し、ブランド別ではトヨタが前年比1.7%減の190万7600台、日産が同24%減の79万3800台、ホンダが同10.1%減の123万4200台だったことなどを取り上げた。
記事はまた、自動車業界内では、老舗自動車メーカーが「ノキアモーメント」に遭遇するのではないかとの議論が交わされてきたことにも触れた。ノキアモーメントとは、一時、世界を席巻したフィンランドのノキアの携帯端末が、米アップルのスマートフォン「iPhone」に市場を奪われたことを指す言葉だ。記事は、豊田章男氏とは正反対の考えを持つ米EV大手テスラのイーロン・マスク最高経営責任者(CEO)が、老舗自動車メーカーに対し、速やかにEVに転換しなければ、フィルム大手のコダックがデジタル時代に見捨てられたのと同じように、淘汰されてしまうだろうと警告を発したことを取り上げた。
記事は「日本車にとって、伝統的な燃料自動車の世界市場は依然として十分に大きいが、電動化の流れに対応するため、変革を強いられている」と指摘。トヨタが昨年、30年までにEV関連に5兆円を投資すると明らかにしたこと、ホンダが中国市場の新車を35年に全てEVにすると発表したこと、日産がこのほど、ニッケルなど高価な素材を使わないリチウムイオン電池を自前生産し、26年以降に新興国での展開を見据えたEVに搭載を目指すことなどを紹介した。
記事は「日本車は、EV転換に関して、EV用の次世代電池として期待される全固体電池と、水素燃料電池という2枚のカードを握っている。日本が技術ソースとレイアウトの面で主導的な立場にあることは、パットスナップの特許データベースから分かる」「全固体電池の実用化と水素燃料電池の活用に対する投資家の高い期待も、今年のトヨタの株価上昇を支えた」などと指摘。「伝統的な内燃エンジンに大きく依存している自動車帝国の日本にとって、これは『入り日陰』にすぎないと言う人もいれば、『熱狂的な転換の下での覚醒』と言う人もいる」とし、「外国ブランドは最良の時期を待っている。ひとたび転換すれば、保有する資源とグローバル市場を頼りに、軽視できないほどの台頭の勢いを示すことになるだろう」とする中国の自動車メーカー、長安汽車の朱華栄(ジュウ・ホアロン)董事長の見方を取り上げた。(翻訳・編集/柳川)
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