CRI online 2024年2月1日(木) 18時30分
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中国社会科学院考古研究所は1月30日、2023年に展開したフィールド調査の新発見を発表し、四川省、福建省、湖北省、陝西省、新疆ウイグル自治区、内蒙古自治区の六つの考古学プロジェクトが入選しました。
中国社会科学院考古研究所は1月30日、2023年に展開したフィールド調査の新発見を発表し、四川省、福建省、湖北省、陝西省、新疆ウイグル自治区、内蒙古自治区の六つの考古学プロジェクトが入選しました。そのうち最も注目されているのは、中国南西部・四川省資陽にある濛渓河旧石器時代遺跡です。同遺跡は現代人の起源・移動段階で、豊富な植物類の遺物も発見された世界で唯一の総合的な遺跡で、5万~7万年前の人類社会の発展の構図を全面的かつ立体的に反映しています。専門家は、歴史を塗り替えるほどの発見があったと明らかにしました。
濛渓河遺跡は四川省資陽市楽至県に位置し、沱江の支流に当たる濛渓河の中上流にあり、2021年9月に発見されたものです。光ルミネッセンス (OSL) 年代測定によると、濛渓河遺跡は今から約5万~7万年前にさかのぼり、人類の起源・発展史において、現代人の起源・移動という重要な段階にあるということです。考古学的発掘調査では、遺跡の最下部にある厚さ約1.7メートルの赤褐色粘土質シルト層は、まさに遺物の分布が最も豊富な層であることが分かりました。
中国科学院古脊椎動物・古人類研究所の高星研究員は、「この遺跡は水分が多く含まれる環境であるため、人類の生産生活の生き生きとした場面が一部保存されており、石器、動物の化石、残存植物が見つかった。これらは当時の気候環境、人間の行動能力を研究するうえで非常に重要な情報となる」と述べました。
濛渓河遺跡ではこれまでに石器、木器、骨器、動物の化石、残存植物など10万点以上が発見されており、中にはドングリやクルミ、ブドウなどのナッツ、果物類も含まれています。
中国社会科学院考古研究所の趙志軍研究員は、「これらの残存植物は最も重要な発見だ。農業社会は採集と狩猟から発展してきたものだが、これまで狩猟を中心に議論してきた。残存植物が見つからなくて、動物の遺物だけを手に入れたからだ。濛渓河遺跡により、われわれはついに採集の行動パターンについて研究する能力と可能性を持つようになった」と述べました。
このほか、濛渓河遺跡では太古の先人の加工道具や、火を起こしたり、切断したり、彫刻したりといった一連の複雑な行動の跡が集中的に発見され、5万~7万年前の初期の人類社会のあり方を全面的かつ立体的に反映し、人類の起源・進化などの重要な学術的課題の研究に実物資料を提供しています。(提供/CRI)
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