迫るAPEC首脳会議、日中関係の改善はあるか?―中国メディア

Record China    2014年8月19日(火) 15時46分

拡大

18日、緊張する日中関係に、緩和の兆しが見られている。資料写真。

(1 / 2 枚)

2014年8月18日、緊張する日中関係に緩和の兆しが見られている。日本は8月1日、尖閣諸島を含む158の離島の名称を発表した。中国人はこれを、日本が間接的に尖閣諸島の主権を主張する新たな手段と見なした。この動きは再び中国の怒りを買った。(筆者:張敬偉(ジャン・ジンウェイ)チャハル学会研究員)

その他の写真

しかし日本政府筋の話によると、安倍首相は8月15日の靖国参拝を見送り、玉串料の奉納に留まった。これは11月に中国で開かれる、APEC首脳会議の実現に向けた動きと判断されている。

福田康夫元首相が7月25日に訪中し、習近平(シー・ジンピン)国家主席に安倍首相の日中関係改善を希望する親書を渡した。この親中派の政治家に対して、習主席は積極的な反応を示した。

日中関係の低迷は、日本の2012年の尖閣諸島国有化を発端とする。安倍首相は再任後、頑迷で反中的な右翼分子に変わり、日中関係を国交正常化以降で最悪の状況にした。

傍観者にせよ日中韓にせよ、3カ国の緊張状態、交流断絶を続けられないことは分かっているはずだ。日中の2年余りの政治の冷え込み、経済面の駆け引きにより、双方に損失が生じている。少なくとも、日中韓自由貿易区の交渉に遅れが生じた(交渉は停止されていない)。アジア共通通貨に関する計画は、跡形もなくなった。経済がグローバル化し、危機が完全に過ぎ去っていない現在、日中の政治関係の低迷が続けば、地域経済の発展に悪影響を及ぼす。アベノミクスは現在「3本目の矢」を放ったが、景気への効果については今後の経過を見守る必要がある。中国経済の構造調整は困難で、モデルチェンジ・アップグレードには強い圧力が存在する。双方が妥協し、政治関係の改善により二国間もしくは日中韓関係の正常化を実現することが期待されている。

安倍首相は日中首脳会談の実現の意向を何度も示している。安倍首相は8月5日に、11月のAPEC首脳会議における中日首脳会談の実現を希望すると再度表明した。安倍首相は「課題があるからこそ胸襟を開いて話し合い、意思疎通に取り組むべきだ」と述べた。

中国の政治文化から論じると、中国はAPEC首脳会議の主催国として、会議の調和的なムードを守るため、安倍首相の顔を立て要請に応じる可能性がある。しかしながら、中国は安倍首相の発言を聞き、その行いを見守ることになる。中国は今から、安倍首相の中日関係改善の善意の誠意を全面的に観察していく。

少なくとも現時点において、安倍首相の善意には投機的な目的があるように見える。まず靖国神社の参拝について、安倍首相の態度には曖昧な点が残されている。自ら参拝しないとしても玉串料を奉納し、閣僚の中には「悪霊」を参拝する者がいた。安倍首相の「不参拝」の善意については、ひとまず考えなくてもよいだろう。次に、安倍首相は不利な情勢を迎えている。特に集団的自衛権の行使容認を閣議決定すると、支持率が4割ほどに低下し、人気が失われつつある。特にアベノミクスの将来性は不明瞭で、安倍首相を支持していた日本人も疑問視を始めている。内政と外交の問題が重なる中、APEC首脳会議は安倍首相が外交面で突破を実現するため、大きな賭けをするチャンスとなっている。日中の首脳会談が実現されれば、安倍首相の再任以来で最大の収穫となる。

日中関係、日中韓関係の正常化は地域の利益に合致しており、日中首脳会談の実現が期待されている。しかし安倍首相の機会主義的な姿勢では、中国から理解を得ることは難しい。中国はAPEC首脳会議の主催国だが、安倍首相を放っておく可能性もある。日本で論じられているように、安倍首相は靖国不参拝の態度だけでは不十分であり、日中の対立、つまり尖閣諸島の主権を巡る係争の棚上げを表明しなければならない。安倍首相に、これができるだろうか?

歴史の影は、日中の現実的な利益を巡る衝突の産物にすぎない。現実的な食い違いが解消されなければ、日中関係の改善は難しいだろう。(提供/人民網日本語版・翻訳/中国網・編集/武藤)

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携