人民網日本語版 2024年2月6日(火) 15時30分
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マントウは山東省ではおなじみの主食で、王哥荘の「大マントウ」は中国では非常に有名で、マントウ界の「ボス」とも呼ばれている。
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旧暦の12月になると、山東省青島市は雪が舞い、寒風が骨身に染みるような季節となるものの、嶗山の麓にある王哥荘街道(エリア)では湯気がモクモクと立ち上がり、それと共にほんのり甘い小麦の香りが漂っている。
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湯気がモクモクと漂う作業場に並ぶ蒸しセイロには、コミカルなデザインの竜や福の字がデザインされた袋、モモやトラといったまるでぬいぐるみのようにかわいらしい蒸しパンの「饅頭(マントウ)」が並んでいる。マントウは山東省ではおなじみの主食で、王哥荘の大マントウは中国では非常に有名で、マントウ界のボスとも呼ばれている。
中国の北方エリアは小麦の生産が非常に盛んなため、その主食は小麦粉で作る食品がメイン。中でもマントウは重要な地位を占めている。しかし、嶗山の麓にある王哥荘街道は漁業をメインとしており、地元でも有名な漁港で、小麦を栽培する畑はない。それにもかかわらず、王哥荘大マントウは500年の歴史を誇っており、そのグルメの奇跡は人々を驚かせている。
王哥荘大マントウの最大の売りはもちろんその大きさだ。巨大マントウの重さは、軽いものでも500グラム、重いものなら1.5キロにもなり、サイズは茶碗ほどのものから洗面器ほどのものまである。
しかし、王哥荘大マントウの魅力はその大きさだけでなく、その特有のおいしさにもある。マントウ工房のオーナーは、「王哥荘大マントウは専用の小麦粉や嶗山のミネラルウォーターを使い、手作業でこね上げ、薪を使う鉄製のセイロで蒸し、焼く作り方に秘訣がある。嶗山のミネラルウォーターを使わなければ、このおいしさを出すことはできない」と説明する。
鉄製のセイロで蒸して焼くというのが伝統的な王哥荘大マントウの作り方で、そうすることで鉄のセイロに触れているマントウの底がこんがりと黄金色に焼き上がる。それは「黄金底」と呼ばれており、王哥荘大マントウにしかないシンボルマークになっている。
2023年末の時点で、王哥荘街道には大マントウ工房が160軒以上あり、大きな産業クラスターが形成されている。そして、大マントウの生産量は年間約1万4400トン、生産高は約1億2000万元(約24億円)に達した。
王哥荘街道は膠東地区に位置し、飾り蒸しパン「花餑餑」も悠久の歴史を誇り、結婚式や長寿を祝う重要な場で、多種多様なマントウがセレモニー感を演出している。
ただ、社会が発展するにつれて、伝統的な花餑餑だけでは市場のニーズを満たすことができなくなっているため、王哥荘大マントウは激しい市場競争を勝ち残ろうと、伝統に新たな革新の息吹を吹き込んでいる。
伝統的な「しんこ細工」の技術をベースにして、大胆なイノベーションに挑むマントウ職人が現在増えている。例えば、「李記鴻福マントウ」の生産工場の責任者・阿九さんは、飾り蒸しパンの研究と生産に取り組んでいる。時代の流れにしっかりと乗り、干支や福の字がデザインされた袋、獅子をデザインした「醒獅」、若者にもめでたいアイテムとして人気の「錦鯉」といった中国の伝統要素を飾り蒸しパンに取り入れ、見た目に優れ、価格的にもリーズナブルな新しいタイプの花餑餑を作り上げている。
阿九さん率いるチームは、栄養や健康を重視する消費者のニーズに積極的に合わせ、それまで使っていた着色料をやめて、カボチャやドラゴンフルーツ、ホウレンソウといった野菜や果物のパウダーなどを使って着色するようになった。そうすることで、カラフルな美しさを保ちながら、栄養バランスもよく、ヘルシーな飾り蒸しパンを作ることができるという。(提供/人民網日本語版・編集/KN)
日本僑報社
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