2014年8月19日、「中国のおばさん」が仏ファッション界に再び「攻め」入った。「顔キニ（英語名：Facekini)」と呼ばれるUV対策マスクをはじめとする「おばさん用フル装備グッズ」が、ネット上で飛ぶように売れている。最近1カ月の淘宝網の売上統計によると、広場舞（広場ダンス）のレッスン用DVD、広場ダンス用ユニフォーム、ポータブルスピーカー（拡声器）、扇子など各関連商品の売上は、「顔キニ」を除いて、月1100万元（約1億8000万円）を上回った。法制晩報が伝えた。

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■「顔キニ」がおばさん用グッズブームの火付け役に

「顔キニは、今年誕生した新商品という訳ではない。2012年、青島のビーチで数人の女性が着用したのが最初だ。先週。フランスの某ファッション誌で、「顔キニ」を着用したモデルの写真が大々的に取り上げられた。カメラマンも、その写真が中国のおばさんからヒントを得たものだと認めた。

オンラインショップは、「顔キニ」がファッション界でブームになる兆しをいち早く嗅ぎ付け、これを大きなビジネスチャンスだと捉えた。淘宝網で検索したところ、UV対策マスクなどの関連商品は2000件以上ヒットした。某商店は、「顔キニ」の画像を掲載したところ、1カ月の販売量は698件に達したという。顧客サービス担当者は、「この2日間、問い合わせてくるお客様が数倍増えた。連日、40-50件売れる」と話した。

「顔キニ」以外にも、SDカード対応ポータブルミニスピーカー、広場ダンス用ユニフォームなどの売れ行きも、極めて好調という。

ダンス音楽関連光ディスク販売店の店主は、「この2年、CDやDVDの売れ行きは、それほど伸びていない。だが、広場ダンス関連の商品は大変良く売れている。特に、おばさん達の広場舞がピークになる夏場に売上が増える」と語った。統計データによると、これら「おばさん関連グッズ」の売上は、月1100万元を上回った。

■「お金と時間」を持て余すおばさん達が新消費層に

商学が専門の北京工商大学の洪涛（ホン・タオ）教授は18日、「おばさんグッズやおばさん経済は、2年前に登場した新しい現象だ。このような新たなブームは、おばさん達固有の特徴によって支えられている」と指摘、次の通り説明した。

この層は、規模が非常に大きいほか、50歳もしくは55歳で退職した人がほとんどを占め、経済的な余裕がある。彼女らは、家庭の支配権を掌握しており、「財布の紐」も握っているため、高い消費力を備えている。退職した彼女らは時間を持て余しており、消費のための余地や経済的余裕は極めて大きい。

彼女らは、コンピュータを使いこなせる条件を備えている。さらに、オンラインショッピングのブームに乗って、おばさん達の消費行動のかなりの部分が、オフラインからオンラインにシフトしている。このことから、オンラインでおばさんグッズが飛ぶように売れる現象がもたらされた。店側も、ターゲットを若者からおばさん達にシフトさせることに力を注ぎ始めている。（提供/人民網日本語版・翻訳/KM・編集/武藤）