日本に寄せ始めたハリウッド、「失敗」が多いのはなぜか―中国メディア

Record China    2024年3月5日(火) 22時0分

拡大

中国メディアの環球時報はこのほど、日本とハリウッドの関係性について論じる記事を掲載した。資料写真。

中国メディアの環球時報はこのほど、日本とハリウッドの関係性について論じる記事を掲載した。

記事は、ハリウッドが手掛ける日本が舞台のドラマ「SHOGUN 将軍」が先月末にVOD(ビデオ・オン・デマンド)で配信を開始したことに言及。「『ゴジラ-1.0』『君たちはどう生きるか』など日本の作品が続々と米国でヒットしており、ハリウッドは今度は日本人の好みに照準を合わせに来ているようだ」とし、「欧米が改編したり制作したりする日本関連の作品はついに“風土に合わない”を脱却したのだろうか?」と疑問を提起した。

同作はジェームズ・クラヴェルの1975年の小説「将軍(Shōgun)」を原作としたドラマ。徳川家康らが戦った「関ヶ原の戦い」の前夜、窮地に立たされた戦国武将・吉井虎永(真田広之)とその家臣となった英国人航海士・按針(コズモ・ジャーヴィス)、二人の運命の鍵を握る謎多きキリシタン・戸田鞠子(アンナ・サワイ)を中心に、陰謀渦巻く戦いの様子を描く。

記事は、「原作小説はかつて1980年にハリウッドで映像化されており、日本のスターだった三船敏郎が主役を演じ、数々の栄誉を手にしたが、西洋の視点に偏り過ぎていたという指摘もあった」とし、40数年ぶりにリメイクされた今作は各種評価サイトでも高い得点を記録し、米エンタメ紙バラエティー(Variety)も「西洋の視聴者に無理に迎合しようとしておらず、制作者が緻密な姿勢で文化交流の物語を語っている」と評したことを伝えた。

また、「同作は日本においても認められている」とし、映画ジャーナリストからは「細かい日本の描写もしっかりとしている。過去にハリウッドでは日本人が見れば日本で撮影していないとすぐ分かるものが多かったが、今回はまるで日本人によって日本で作られたもののように感じ、違和感がない」との評価が出ているとした。

記事は、「近年、ハリウッドによる日本関連のドラマや映画の撮影が活発化している」とする一方、「『カウボーイビバップ』『ONE PEACE(ワンピース)』『幽☆遊☆白書』など一連の日本アニメ実写版には称賛もあれば批判も少なくなかった。もちろん、これらは2023年に実写化された『聖闘士星矢』ほど悲劇的ではなく、この名作アニメの“魔改造”は東西の多くの観客の酷評を呼ぶことになった」と指摘した。

また、「日本の2次元をいかに3次元化(実写化)するかは大きな課題となってきた。米国で実写化された『ドラゴンボール』は興行的に失敗しただけでなく口コミも大変な不評だった。日本のネット上では『悟空がまるでアメリカのヒーローみたい』との批判の声が上がった」としたほか、17年にハリウッドで実写化された「攻殻機動隊」(ゴースト・イン・ザ・シェル)は、特殊効果はともかく、アジア系ではなくハリウッド女優のスカーレット・ヨハンソンが主演したことが議論を呼んだと言及した。

さらに、「日本は映画やアニメを通じてソフトパワーを対外輸出し、欧米の観客に大きな影響を与えてきたが、ハリウッドはいわゆる『純日本的』な作品(の制作)には比較的慎重になっている。他方、『キル・ビル』『ウルヴァリン』『ゴジラ』『パシフィック・リム』など娯楽性の強いアクション映画、SF映画においては、その作中の“正確ではない日本の要素”が批判を巻き起こしてもいる」と指摘した。

そして、「これはハリウッドによるビジネスのグローバル化と文化流用の間の矛盾である」とし、「欧米の国々が日本の映画やアニメを積極的にリメイクするのは原作自体の影響力によるものだが、もしうまくリメイクできなければ、欧米の観客の歓心も買えず、日本の観客からも嫌われるという“どっちつかず”になってしまうのだ」と結んだ。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携