2024年3月6日、韓国・ハンギョレが「中国の今年の科学技術研究予算の増加率は10％で、国防予算の増加率を上回った」と報じ、韓国のネット上で注目を集めている。

記事によると、中国の今年の科学技術研究予算は3708億元（約7兆7400億円）で、前年比10％増加した。記事は「中国は半導体・人工知能などの世界のサプライチェーンから中国を排除しようとする米国のディリスキング（リスク回避）戦略に対応するため、科学技術の自立を主目標に掲げ、莫大な投資を行っている」と説明している。

また「今回の科学技術研究予算の増加率は、国防予算の増加率を上回ったという点で目を引く」とし、「米国と戦略的競争を繰り広げている中国は軍事的に米国に追いつくため、毎年国防予算を大幅に増やしてきた」「中国は今年の国防予算として前年比7．2％増の1兆6700億元を計上した。21年は6．8％、22年は7．1％、昨年は7．2％と増やし続け、今年の国防予算は日本の国防予算の約4．4倍だ」と説明している。

民間投資を含む中国全体の研究開発（R＆D）費用は3兆3000億元を超える。中国科学技術部の陰和俊部長は6日、「昨年の中国の国家研究開発費用は3兆3278億元で、前年比8．1％増加した。これは国内総生産（GDP）の2．64％にあたる」とし、「量子情報、半導体、人工知能、製薬・バイオ、新エネルギーなどの方面で独創的な成果を収めた」と述べたという。

韓国では昨年12月、政府が今年のR＆D予算として前年より4兆6000億ウォン（約5155億円）削減した25兆9000億ウォンを計上したと発表し、大学や研究所から強い反発の声が上がっていた。そのため、この記事を見た韓国のネットユーザーからは「韓国は中国よりかなり遅れた国になってしまった」「未来をあきらめてR＆D予算を削減した韓国政府」「我が国には未来がない」「尹錫悦（ユン・ソンニョル）政権になって国がどんどん崩壊していく。世界はし烈な科学戦争を繰り広げているというのに」「5年後に韓国は中国の半分にも満たない水準に落ちぶれているだろう。今もどんどんその差は広がっている」「子どもを持つ人が大統領になるべきだ。そうでないと国の未来について真剣に考えてくれない」など懸念の声が多数上がっている。（翻訳・編集/堂本）