TikTokの米国での年間売上は2.4兆円、売却なら金額は数十兆円か―米国メディア

Record China    2024年3月17日(日) 11時20分

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米国では、下院がTikTok関連法案を可決したことで、TikTokの売却が現実味を帯びてきた。実際に売却されるならば価格は数千億ドル(5000億ドル=約75兆元)に達するとの見方も出てきた。

米国では、下院が動画配信投稿サイトのTikTok(ティックトック)について、6カ月以内に米国の買い手に売却するか、プログラムストアでのダウンロードが禁止されることを義務付ける法案を可決したことで、母体である中国企業の字節跳動(バイトダンス、ByteDance)がTikTokを売却することが現実味を帯びてきた。米国メディアのボイス・オブ・アメリカは16日付で、売却されるならば価格は数千億ドル(5000億ドル=約75兆元)に達する可能性があるなど、関連状況を紹介する記事を配信した。

米国でのTikTokに対する新たな法律が施行されるには、下院に続き上院も通過し、大統領が署名する必要がある。若者を中心に反対も高まっているために、上院での可決は微妙とされているが、下院を通過したことで、同法の成立が現実味を帯びてきた。

米国では、TikTokの経済価値についても関心が高まってきた。英紙フィナンシャル・タイムズは15日、内部情報を知る人3人の証言に基づき、TikTokの米国での売り上げが2023年には160億ドル(約2兆4000億円)に達したと報じた。TikTokの親会社であるバイトダンスの23年売上高は前年比40%増の1200億ドル(約18兆円)だったとみられている。一方で、フェイスブックを運営するメタの同年売上高は同16%増の1350億ドル(約20兆円)で、近い将来にバイトダンスの売上高がメタを抜く可能性が出てきた。ただし、バイトダンスは株式上場していないために財務情報を公開する義務がなく、会社側は関連情報を明らかにしていない。

TikTokの今後についてはまだわからないが、米国ではすでに動きが始まっている。投資家でトランプ政権では財務長官を務めたスティーブン・ムニューシン氏は14日、TikTokを購入するためのコンソーシアムの設立に着手すると表明した。ただし、ムニューシン氏は資金調達についての詳細は明らかにしなかった。

フィナンシャル・タイムズは、実際に取引が成立ならば、買い取り価格が数千億ドルとされるなど、買い手は極めて高額を求められる可能性があると報じた。フィナンシャル・タイムズはTikTokの売買は中国当局の意向にも左右されると指摘した。

TikTokの米国事業は急成長しているが、グローバル市場の開発に多額の資金を振り向けているため、差し引きすれば黒字化には至っていないとされる。仮に米国でTikTokを対象にする前記の法律が成立した場合、米国での事業を断念する選択もありえる。フィナンシャル・タイムズは「TikTokが米国市場を失えば、世界でのビジネス展開に負の衝撃が生じて、一部の米国のネット有名人らも利用を断念することで、TikTokの魅力が弱まる可能性がある」と指摘した。

中国政府はTikTokをバイトダンスから強制的に分離して売却することに強く反対している。中国で20年に導入された新たな輸出管理措置は、この種の事業の分離や売却には中国政府の承認を必要とすると明記している。

中国外交部の汪文斌報道官は14日の定例記者会見で、米下院がTikTokについての法案を可決したことについて、「米国は公平な競争の原則と国際的な経済貿易ルールの対極に立った。いわゆる国家の安全保障を理由として他国の優れた企業を恣意的に圧迫できるのであれば、それは公平あるいは正義とは全く言えない。他人のよいものを見たら何としてでも自分のものにしようとするのは、完全に強盗の論理だ」と非難した。(翻訳・編集/如月隼人

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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