中国メディアの新民晩報はこのほど、中国人観光客が韓国で「ダンピング観光」に遭遇しているとする記事を配信した。

今月上旬、韓国を訪れた中国の複数の団体ツアーが現地で買い物を強要され、それに従わなかったところ、バスから降ろされるという出来事が報じられた。助けを求める連絡を受けた在韓中国大使館が、旅行者に対し、旅行会社や旅行商品を選ぶ際は慎重を期し、不当な「格安ツアー」に用心し、買い物強要などによるトラブルに巻き込まれて旅行体験や安全に影響が及ばないよう注意喚起した。

新民晩報の記事は、そうした騒動に触れた上で、韓国のソウル市が中国の4大オンライン旅行会社（OTA）で販売中のソウル旅行商品を対象に全面的な調査を実施したところ、低価格商品100個のうち85個が「ダンピング観光」と疑われるものだったことを取り上げた。85個のうち45個は4泊5日の行程中に買い物が6～8回も設定されていて、高麗人参や化粧品、高級品など5日間で計8店舗を回り、購入しなければ出発しないという商品まであったという。ソウル市は調査結果を中国側と共有した。

記事は「ソウル市の対応について、ネット上ではもっと早くに取り締まるべきだったとの声も寄せられたが、韓国側は昨年にはすでに不当な旅行商品に対するいくつかの措置を講じている」と指摘。昨年9月には韓国旅行業協会（KATA）が中国旅行客専門の韓国旅行会社と買い物強要旅行などに反対する決起大会を開いたこと、同年10月にはソウル市が闇ツアーガイドを雇用した旅行会社に800万ウォン（約88万円）の罰金や営業停止などの処分を科す厳しい措置を発表したことを紹介した。（翻訳・編集/柳川）