Record China 2024年3月30日(土) 18時0分
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台湾政府では、観光も所管する王国材交通相が香港について、国家安全維持条例のためにリスクがあるので香港旅行はしない方がよいと述べたことで、業界側から批判が噴出した。写真は香港市街の様子。
香港メディアの星島頭条によると、台湾では最近になり、政府高官による、香港で国家安全維持条例が成立したことを理由として香港旅行のリスクを強調したり、香港に行かないよう勧める声が相次いだ。台湾の旅行関連業界からは批判の声が出ている。
国家安全維持条例は、「香港の憲法」と言える香港基本法の第23条に基づく法律で、香港での反政府的な動きを取り締まる2020年6月施行の中国の「香港国家安全維持法」を補完するものだ。香港立法会(香港議会)に条例案が提出されたのは3月8日で、わずか11日程度の審議で19日に可決された。
台湾では、同条例の施行により、中国大陸側を批判したことがある台湾人が香港に行けば、法的制裁を受ける可能性があるとの声が出ている。台湾の陳建仁行政院長(首相)は関連質問に「台湾人が香港に行く際には、必ず自分の安全に注意し、必ず確認してから香港に行くよう、特に気をつけなければならない」と述べた。台湾政府の情報機関である国家安全保障局の蔡明彦局長も、「台湾人の香港旅行ではリスクが高まっている」と警告した。
さらに台湾交通部の王国材部長(交通相)は23日になり、「(台湾の人々が)仮に本当にそのような行為をするならば、つまり行くなということいだ」と述べた。王交通相は産業関連を所管するだけに、業界側からは大きな反発が出た。旅行観光関連の業界団体である台湾旅行商業同業公会の蕭博仁理事長は「交通相として観光を推進すべきなのに、国民に直接行くなと伝えるのは適切ではない」と不満を示した。
23年には、海外から台湾に来た旅行者の中で香港・マカオから来た人が最も多く香港だけでも延べ110万人に達したという。蕭理事長は、王交通相が、交通相であるにもかかわらず、直接に「香港に行かないように」と呼び掛けたのは不適切であり、香港人の台湾観にも影響を与えかねないと批判した。
蕭理事長は、中国大陸や香港だけでなく、タイ、ミャンマー、マレーシアなどでも、政府を罵倒し批判したことがあれば現地で身柄を拘束される可能性があり、さらには台湾にも反浸透法があると指摘し、どの国に行っても守るべき規則はあると論じた。
蕭理事長はさらに、「過去に大陸を訪れたツアー客が(中国)政府を批判して処罰されたことはない」と紹介し、旅行業者は現地の法律の厳しさを強調することはなく、海外に行く旅行客には現地の規則に従うよう注意するだけと説明した。
台湾の旅行観光関連団体の中華優質旅遊発展協会の李奇嶽理事長は台湾の旅行業者には現在のところ、大陸や香港の関連法をさほど悲観してはいないと説明。しかし、高官の立場にある人が強調すれば、民衆がパニックに陥ることになりかねないと主張。そして、香港旅行を警戒する論理を適用するならば、何十万人もの台湾人が大陸で生活していることも危険ということになると指摘して、「政府がそこまで心配するなら、いっそのこと大陸行きを禁止したり、観光についての(正式)な警告を発令すればよい」と述べた。
李理事長も、台湾を訪れる香港人が極めて多いことに注目して、王交通相の発言は「観光を主管する政府部門の長として不適切であり、台湾と香港の観光交流に影響を及ぼす可能性がある」と述べた。(翻訳・編集/如月隼人)
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