中国国家公文書局が9日に明らかにしたところによると、このほど開かれた「世界の記憶」アジア太平洋地域委員会（MOWCAP）第10回総会で、中国国家公文書局が申請した3件の公文書「成都老茶館関連公文書」「徽州千年宗姓公文書」「徳格印経院院蔵雕版」が「世界の記憶」アジア太平洋リストに登録された。新華社が伝えた。

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「成都老茶館関連公文書」は1903～49年の成都老茶館関連の公文書・文献資料を収録。中には手書きの原稿、写真、印刷物など計6345件が含まれる。これらの公文書は老茶館の日常経営、業界管理、商品取引、文化交流の多元的な機能を反映しており、成都を始めとする中国近現代都市の経済・社会・文化・歴史の発展を研究するための貴重な史料だ。

「徽州千年宗姓公文書」は徽州民間社会の千年にわたる姓の家系、居住環境、家族の規則、有名人の伝記、財産権の帰属、芸術・文化の著作などの民間公文書を記録。今回申請された公文書は計427部、2235冊で、宋、元、明、清、中華民国の時代の姓の公文書を含む。漢字文化圏の国・地域の姓の文化を反映したもので、歴史研究の貴重な公文書だ。

徳格印経院は1729年に建設が始まり、中国のチベット族居住地の3大印経院の一つだ。その木版印刷は彫刻・印刷工程が複雑で、細かい分業と厳しい管理により木版印刷の歴史で独特の地位を占める。全院で現在完全に保存されている木版印公文書は32万5520件で、古い印版と画版が含まれる。主に18～20世紀中頃に彫刻されてもので、11世紀以降の各種重要チベット語経典・文献を網羅し、その内容は伝統文化の各方面に及んでいる。

世界遺産は文化遺産、自然遺産、記憶遺産などの六つの項目に分類される。「世界の記憶」はユネスコが1992年に始めた文献保護プロジェクトで、文化遺産の保護・利用を促進し、文献遺産の重要性への認識を深めることが目的で、2年毎に審査を行っている。今回の総会で入選した3件を含め、中国はこれまで17件の公文書遺産が「世界の記憶」アジア太平洋リストに入選している。（提供/人民網日本語版・編集/YF）