日本にはもう行きたくなくなった―台湾人ジャーナリスト

Record China    2024年6月8日(土) 22時0分

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台湾メディアの中時新聞網は7日、「日本にはもう行きたくなくなった」と題する、台湾人ジャーナリスト・王尚智氏の文章を掲載した。写真は鎌倉。

台湾メディアの中時新聞網は7日、「日本にはもう行きたくなくなった」と題する、台湾人ジャーナリスト・王尚智氏の文章を掲載した。

王氏は「なぜ日本に行きたいと、少しも思わなくなったのか、ようやく理解した。2022年にコロナが収束してから今に至るまで、周囲の親しい友人たちが何度も(日本に)足を運んでも、私は心を動かされることはなかった。まるで暗い密室の中で1本のろうそくの火が一切揺らぐことがないように、日本に行きたいとは思わなかった」と述べた。

その上で、「今の日本はもう私がよく知るような国ではなくなっている」と指摘。「京都、奈良、鎌倉など、私が何百回も足を運び、夢にも出てくるほど見慣れた街や観光地には、今では大勢の観光客が押し寄せている。三十三間堂の千手観音像も、もはや私がわざわざお参りに行くことを期待することはないだろう」とした。

そして、「今やバスも地下鉄も含め、至る所で観光客があふれている。かつてのように一人物思いにふけることができる場所を探すのは難しくなった。時が静かに流れる奥深さは、もはや京都には無い」と言及。京都市が昨年、転出者が最も多い日本の都市になったことに触れ、「オーバーツーリズムがこの奥ゆかしい都市を住みにくいものにした。歩くのも難しいような人の波は、スマートフォン上ではAIによって消し去ることができるが、記憶からはどのように削除すればいいのか」と嘆息した。

王氏はまた、オーバーツーリズムによる問題点として、京都で観光客を対象とした通常の2倍の運賃がかかる「観光特急バス」が導入されたこと、大阪では外国人観光客からの「徴収金制度」が検討されていること、飲食店などが観光客と地元民で異なる「二重価格」の導入を進めていること、「日本語を話せない客はお断り」や「ラーメン1杯5000円」など、観光客を排除したり、高い金額を取ろうとしたりする店が増えていることも挙げた。

そして、「いずれにせよ、2023年のインバウンド消費が過去最高の5兆円を記録した日本では、こうした街の混雑はより深刻になっていくだろう」とした上で、「2019年12月、最後に三十三間堂で手を合わせた時に、観音様が笑みをたたえて『何年(長い年月)か経った後にまたお会いしましょう』とおっしゃったのもうなずける」と結んだ。(翻訳・編集/北田

※記事中の中国をはじめとする海外メディアの報道部分、およびネットユーザーの投稿部分は、各現地メディアあるいは投稿者個人の見解であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。

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