【観察眼】捨身飼虎にも限界はあるはず

CRI online    2024年6月26日(水) 17時50分

拡大

つい先日、日中関係に再び残念なニュースが起きた。

つい先日、日中関係に再び残念なニュースが起きた。日本政府は、ロシアへの軍事転用可能な物資の提供に関与した疑いがあるとして、中国企業7社に初めて制裁を科すことを決めた。イエレン米財務長官が中国とロシアの企業を含む300近い外国事業体を金融制裁対象の「特別指定国民(SDN)」に指定した直後、日本がこれに追従して、再び米国の言いなりになった。

SNSの「X」では、一部の日本人ネットユーザーから「(日本)政府の決定には理由なんか要らない。米国が考えてくれるから」と嘆く声が上がっている。日本が米国に追随していることは誰でも知っている。米国に従っていれば日米同盟の「絆」はいっそう強く結ばれると考えられるかも知れないが、実際はどうだろう。米国に媚びることは、日本の国益、日本国民の利益に合っているのだろうか。

周知のように、日本経済は長期にわたって低迷期に陥っている。これはまさに米国の「おかげ」によるものだ。1985年のプラザ合意によって引き起こされた円高不況は日本経済に大きな打撃を与え、バブルの崩壊へと向かって低迷期に陥った。これらすべては米国の計算通りだった。

歴史を振り返れば、日本経済は1968年に世界第2位に躍進したが、2010年に中国に抜かれ、去年はドイツにも抜かれた。国際通貨基金(IMF)の予測では、日本の名目GDPは2025年にはインドに抜かれ、世界第5位に転落する見通しだ。数えてみれば、日本経済は世界第2位の座を42年間、第3位の座を13年間維持してきたが、第4位の座はおそらく2年しかキープできないだろう。そして現在、日本は盲目的に米国に追随して中国を制裁するという、まるで重病を患っている日本経済に自ら致命的な毒を盛るようなことをしている。それは自国の利益を損なうことにしかならない。米国にとってはどうでもいいことだ。

不況が続く日本では、今年3月に予想外の利上げが行われた。利上げ幅はそれほど大きくなかったものの、そのタイミングは非常に微妙で、米国の利上げが力強さを欠いていたところ、日本が利上げのバトンを受け取ったということではないのだろうか。これについて、経済アナリストは、米国の利上げ措置は国際資本を十分に米国に還流させることができず、この機に乗じて中国の資本市場にダメージをもたらそうとした米国の思惑が実現しなかったことを背景に、日本が利上げを実施することで東アジアの資本が日本に流れ、日本を経由して米国に流れ込むことが米国の狙いだと指摘している。

米国は日本に利上げを強要し、日本が金融市場で直面するリスクをまったく考えなかった。まず、日本の国債は既にGDPの260%を上回っており、利上げは債務コストの大幅増加につながり、債務の崩壊を招く恐れがある。次に、不況期の利上げは、日本の輸出商品の国際競争力や海外収益の増加にマイナス影響を与え、借入コストの上昇は利益率の低い日本企業を経営難の苦境に陥れ、倒産リスクが高まる。特に、長期にわたって金融緩和政策で生計を立てている中小企業は窮地に追い込まれる。

米国に強要された日本の利上げは、1985年のプラザ合意と同じ効果を生み、日本経済はさらに悪化することが懸念される。もちろん、米国には、世界中の利益を奪うに当たって日本の利益考慮する余裕はないだろう。日本から直接利益を奪うことは簡単で、むしろその方がアメリカ第一主義の理念に合っている。

現実もそれを裏付けている。日本では利上げが実施されたが、円高どころか、大幅な円安が進んでいる。ドル資産を担保に円建て債券を発行し日本に投資している米国の金融機関は大儲けした。日本では為替相場が急落する一方、株式市場が大幅に上昇している。米国の資本は、配当収入や株価上昇による収益だけでなく、円安によるキャリーリターンを得て大いに儲けている。円安が進めば進むほど、米国資本の利益は大きくなる。

大幅な円安という現実を前に、日本政府は慌てて為替安定のためにドルを売り出した。日本円の対ドル為替レートが34年ぶりの最安値に落ちたことから、日本政府は5月に為替相場を安定させるために622億ドル(約9兆8000億円)を投入した。これは2022年の規模を上回っている。日本政府の為替介入に対して、米財務省はつい先週(現地時間6月20日)、日本を為替操作「監視リスト」対象国に再指定した。これこそ同盟国日本に対する米国の「真心」だ。

米国の貪欲さを満足させられない日本政府は米国に追随して中国企業に制裁を加え、米国の機嫌を取ろうとした。だが、媚びれば媚びるほど、尊厳は失われるだけだ。自らの体をささげて虎に餌をやる「捨身飼虎(しゃしんしこ)」にも限界があるはずだろう。(提供/CRI

※本記事はニュース提供社の記事であり、RecordChinaの立場を代表するものではありません。すべてのコンテンツの著作権は、ニュース提供社に帰属します。

この記事のコメントを見る

ピックアップ



   

we`re

RecordChina

お問い合わせ

Record China・記事へのご意見・お問い合わせはこちら

お問い合わせ

業務提携

Record Chinaへの業務提携に関するお問い合わせはこちら

業務提携