変態と思われないためにも、嫌われる日本人のタイプを知っておこう

月刊中国ニュース    2017年6月10日(土) 22時20分

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初めて中国人の部下を持つ日本人上司は、まずあるシチュエーションで腕を試すことになる。それは、部下の前で自分がリーダーとして一体どのような「イメージ」を見せれば良いか、という試練だ。資料写真。

このような話は、現地の事情に無知なためであって、まだ大目に見てくれる可能性があると思う。しかし、僕の赴任前研修に参加したある日本人部長が「赴任先の就任演説」を練習する際、こんな一節を披露してみせた。

「…私は、3歳と7歳の娘がいます。2人は、お父さんと仲がいい。私も2人と一緒にお風呂に入ることは、楽しい日課となっているんです」。

それを聞いて、僕は一瞬、耳を疑った。まさか、こんな話を本当に発表したら、現地人は言葉を失うほど驚くだろう。7歳の娘と一緒にお風呂に入るなんて、日本以外の国々の人々がそんな習慣を理解できるはずはない。変態だと思われてしまうだろう。

やはり、相手に良い印象を与えようとするならば、まずは日本と相手国の文化的な違いや、慣習などのギャップをよく理解しておくのが肝心な第一歩だ。特に日本の常識は世界の非常識ということを、しっかりと把握することはスタートラインである。その事前の勉強が足りないと、収拾がつかない事態になってしまうことを十分覚悟しておきたい。

■プラスの印象※―の後は背景と理由

集団意識が強い―組織の利益を常に優先させようとする行動パターン。日本の組織は結束力が強い。

勤勉で頑張り屋が多い―いち早く出勤するのも、最後に残業で残るのも駐在員か出向者ばかり。仕事自身にやりがいを感じているように思える。

礼儀正しい、教養がある―紳士的な日本人が多い。礼儀作法がとても良い。人と接する際、いつも丁寧で教養レベルが高い。

ルールや規則を固く守る―定めたルールがたとえ不合理的であっても、それをきちんと守る。規律正しい。

繊細で器用―感性が豊かで、特に最近ではその職人精神が注目されている。常に完璧を求め、モノ作りのその繊細な技に日本の文化も織り込まれている。

■マイナスの印象※―の後は背景と理由

心が狭い―島国の民族のせいか、器量と度胸が小さい。異なる考え方や対立した言動に包容心が欠ける。いざ隔たりができたら、なかなか心から許せない。

傲慢で、優越感がある―現地スタッフを見下している。文化的または経済的な優越感を持ち、「やっぱり中国人だな」と吐き出す言葉をよく使う。中国人だからやっていることは可笑しいとのニュアンスが行間から読み取れる。優越感を匂わせるような言動が日常的に見受けられる。

闘争心が強い―「好闘」という言葉を使って日本人の国民性を形容する中国人が多い。日中戦争の歴史的背景から、現在の日本人と旧日本軍のイメージをダブらせて捉えた見方である。

頭が硬い、柔軟さの欠如―何でもルールや杓子定規に固執する。変化に対応する柔軟さが足りない。日系企業に勤める中国人がよく揶揄する。「日本人の頭は四角形。まるでコンクリートでできているようだ」。

万事に細か過ぎる、悲観的な見方をもつ―真面目すぎる。細かいことに必要以上に神経を使う。あまりの慎重さに「責任を負いたくない、失敗を極端に恐れる」「木を見て森を見ず」の印象が見受けられる。

短気で感情的で、怒りっぽい―何かあるとすぐにキレる。「日本的なやり方をスタンダードにして、それに合わないとすぐいらいらする」「突然怒り出すような激しい感情に走りやすい」。

階層意識が強い―日系企業は「厳しい縦割りの階級制がある」という印象が強い。上司は絶対的な存在で、部下の異なる意見を許せない。「先輩・後輩」の意識も階層制の表れとして捉えられる。階層意識の元、部下への評価ポイントは「経験と経歴を重視して、能力を重視しない」というイメージがある。(提供/月刊中国ニュース)

李年古(りねんこ)

日中ナレッジセンター(株)代表取締役。日本在住30年。19年間にわたり各大手企業で日中異文化コミュニケーション、異文化マネジメント研修などを実施。著書に『日本人には言えない中国人の価値観―中国人とつきあうための68の法則』(学生社刊)など。

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