中国人女性が語る、日本人上司が気づいていない上司の魅力

月刊中国ニュース    2017年8月6日(日) 14時50分

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中国では古代から、孔子の儒教の思想に基づいて、「君臣有義」という伝統的倫理観を元に上司と部下との関係が定められてきた。組織に忠誠を尽くすというよりも、リーダーとの個人的関わりのほうに一体感を覚えやすい。資料写真。

そこに中国人のある共通した価値観を垣間見ることができる。それは前回の記事にも書いた通り、中国の伝統的価値観に深く根付いたものである。つまり、中国では古代から、孔子儒教の思想に基づいて、「君臣有義」という伝統的倫理観を元に上司と部下との関係が定められてきた。組織に忠誠を尽くすというよりも、リーダーとの個人的関わりのほうに一体感を覚えやすいからである。

「すべての勝利は、価値観による勝利である」。部下の愛社精神を育てるには、上司への忠誠心を通じて実現していくことが唯一の近道であろう。それでは魅力な上司として認めてもらうために何が決定的な要素になるのか。

数年前、僕は上海のあるIT関連の日系企業を訪ねて、20数名ほどの現地人の課長クラスの社員を対象に、上司に期待することについて、記入式アンケート調査と単独インタビューをおこなった。その結果、一つの共通する要望が断トツでトップに上がった。「部下育成の意識と行動」である。この回答を見ると、子どもが親に果たして欲しい義務とまったく同じものであることが分かる。ここでは日本人上司が気づいていない事項、かつ重要なことだけを例にあげたい。

1つ目は、共感できる価値観である。もっと厳密に言えば、人間性を豊かにする生き方そのものである。部下と上司が仕事の実践を通じて共有できたら、それこそ無敵な組織が作れるはずだ。冒頭で取り上げた劉監督が4年前に選手たちに熱く語りかけたスピーチの一部をのぞいてみよう。「チャンピオンを取るのは、君たちの唯一の目標ではない。それよりもっと重要なのは、ひたすら努力する姿勢、決して諦めないという精神なんだ。試合を見に来る人々が、最も魅力的に感じてくれるのは、君たちの忘我する姿そのものだ」。

「馬琳さん(元の世界チャンピオン)は、今回の試合に出場しなかった。代わりに毎日、皆のために食材を買いに行った。現地の中華レストランでは料理場に立ち、自ら料理を作ってくれた。料理や箸を運んでくるのも彼だし、皆に先に食べさせ、最後に残した残飯を食べてくれたのも彼だ。君たちは5年後(注:馬さんと同じ、チャンピオンを取ってから経った年月を指す)そのような真似をすることができるか?それこそチャンピオンとしての精神であり、内なる精神なのだ!」。

この話を聴いている選手全員が、静まりかえって深く考えこんでいる様子が、その現場を記録した映像に鮮明に映っていた。中国の卓球がなぜ世界に不動の地位を築いてきたのか、その秘訣が伝わったような気がする。「すべての勝利は、すなわち価値観による勝利である」この言葉の重みは、上司として常に覚えておく必要があるだろう。

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