日本華僑報 2022年1月10日(月) 13時20分
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中国駐大阪総領事館の薛剣総領事が日中関係の舞台で一躍脚光を浴びている。
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当然、歴史を逆戻りさせることもしてはなりません。日本の一部の勢力は、戦前の軍国主義日本に深い郷愁に駆られ、過去の道に戻ろうと謀っています。そこに活路はなく、再び自分自身を散々な目に遭わせるだけでしょう。第一線に身を置く外交官として、私は常に強い責任感と危機感をもって中日関係を注視しています。日本への忠告があるとしたら、トウ小平先生が中国の改革開放初期に提起した言葉、「思想解放し、実事求是し、一致団結して前進する」を日本の皆さんに贈りたいと思います。
第二に、国と国との付き合いには事実、信義、誠実さ、善意が必要であることを認識すべきです。今、日本の対中外交には、こういう言葉が無く、プラスエネルギーが著しく欠如しています。一部の人は過去の発言を翻しても認めようとせず、デマを流し、世界中に中国に対する中傷を吹聴し、むやみに中日関係を破壊し、地域の全体的利益まで犠牲にしているのです。
日本の隣国は4カ国しかありませんが、今はいずれの国とも良好な関係は築けておらず、遠く離れた数カ国と結託して、親密にやっています。「遠交近攻」は必ず「四面楚歌」を招きます。日本側に考えてもらいたいのは、有事の時に彼らは本当に助けてくれるのか、仮に助けてくれるとしても無償奉仕などあるのかということです。そんなはずがないと思います。仮にあっても、巨額の見返りを求められるでしょう。日本にとって、さらなる重荷を背負い、束縛を受けることにしかなりません。
最近、台湾問題で「一つの中国」を放棄すべきと高言する者、「台湾の有事は日本の有事」と騒ぎ立てる者、国会であらぬ人権問題を利用して、中国を譴責する決議を行おうとする者もいます。中国と日本には2000年以上の交流の歴史があり、中国は日本にとって文化的母国です。中国との交流がなければ今の日本は存在していなかったとも言えます。しかし、日本の現状を見てみると、中国に対する最低限の敬意も持ち合わせていないと言って良いでしょう。日本が西側諸国にどう取り入ろうとも、アジアの一員であることは変わらないし、永遠に「二等国民」でいるしかないでしょう。
中日関係の情勢は複雑で深刻ですが、民間友好の伝統は全力で守っていかねばなりません。厳しい時ほど、困難を克服し、民間友好を前へ進めていくべきです。新時代の要請に見合った中日関係の構築を、中国政府も中国の各界も心から願い、日本の皆さんに前向きな反応を期待しています。ここで私は、中日友好を願う日本の各界の友人たちに落胆することなく、果敢に中日友好を語り、そのための行動を起こし、正をもって邪を鎮めていこうと、心から呼びかけたいと思います。
■薛剣総領事が就任されて以降、日本に対しての発言力や影響力に大きな変化が見られるようになりました。一部の日本メディアは、薛剣総領事を「戦狼外交官」と呼んでいます。この点についてはどうお考えですか。中国の外交官のスタイルは変わったのでしょうか。それとも中国の外交政策が変わったのでしょうか。
まず「戦狼外交」という言葉は、われわれが作り出した言葉ではなく、西側のメディアが中国外交を非難中傷するために作り出した言葉です。西側諸国は長い間、中国人はやられてもやり返さず、怒りをこらえて我慢し折り合いをつけるものだと慣れてきました。しかし、時代とともに中国外交のスタイルや規範も変化してきています。対外的に強硬そうな態度をとることはあっても、一度として、こちらから挑発したことはなく、やむを得ず反撃しているだけです。新時代に突入し、中国のあら捜しをして取り沙汰したり、威圧的に振る舞うといった悪い癖を改め、お互いに尊重し合い、対等な立場で友好関係を築き、協力して共に栄えることを学ぶべきです。それができなければ、今の不快感はますます増していくしかないでしょう。
次に、「戦狼外交」はほとんどの発展途上国では聞かれません。実際、中国は発展途上国が長い間言いたくても言えなかったことを言い、多くの日本人がアメリカに対して心の中で思っていても口に出せなかったことを言っています。一部の日本のネットユーザーは、「今の世界で、アメリカに真正面からものが言えるのは中国だけだ。本当にうらやましい」とツイートしてくれています。こうして支持してくれているのは、われわれが国際社会の願いを代弁しているからなのでしょう。
中国が偏向外交を行ったことはありません。常に道義と正義を説き、気概と温もりをもって外交に当たってきました。「一帯一路」構想を推し進め、144カ国と32の国際機構が参画するオープンな国際協力プラットフォームを形成しています。同時に、中国外交は国際社会への貢献を喜びとし、地球規模の気候変動、国際的貧困撲滅、平和維持、伝染病予防治療などに大きく貢献し、多くの発展途上国に具体的な利益をもたらしています。
新型コロナウィルス感染症パンデミックにおいては、中国は西側諸国から不当な非難を受けながらも、地球上の人口の5分の1に相当する14億余りの中国人民の安全を守るとともに、スピーディーに膨大な防疫物資を世界に提供し、全世界、特に多くの発展途上国に計20億回分のワクチンを提供しました。世界経済がパンデミックの影響を受け、欧米など先進国の市場が機能不全に陥る中、中国の超大規模市場は全面回復し、世界経済発展の柱石となりました。中国市場抜きに単独で機能し、円滑に復興できる国はありません。中国はすでに世界の混乱を収める消防隊となって、世界の平和、安定、繁栄のために重要な貢献をしているのです。
私個人は、中国の核心的利益に関わる原則的な問題に力を尽くし、断固として闘ういわゆる「戦狼の顔」だけでなく、日本の各界の友人と友好を結ぶ、真摯で親しみやすい「パンダの顔」も併せ持っていると思います。就任して半年以来、私は館員と共に管轄圏内の草の根に分け入り、岸和田市内で地元の農家の収穫を手伝い、中日両国の農業発展のための交流を行っています。京都の福祉施設に恵まれない子供たちを慰問したり、神戸で人気のミルクティーショップのオーナーと商売の話をしたり、ソーシャルメディアを通じて日本のネットユーザーと広範かつ緊密な交流も行っています。近々、大阪の漁師さんと漁に出て牡蠣を獲ることになっていますし、中小企業の工場で「一日大工」を体験します。こうしたことも中国外交のスタイルです。現在、中日関係は冷え込んでいますが、問題点は政治レベルにあり、問題解決の鍵は草の根にあると考えます。ですから、われわれは草の根の活動に多くの時間と精力と資源を費やしてきました。根気強く続けていけば、冷え込んでいるこの中日関係も必ず再び暖まってくると信じています。
■「パンダ外交官」としての側面について触れられましたが、中日の地方外交、民間外交、経済外交を直接推進していく上での具体的な役割や効果について、いくつか紹介していただけますか。
「パンダ外交」には中国外交にしかない独自の彩りがあります。その点、われわれ中国駐大阪総領事館にはアドバンテージがあります。大阪総領事館は、200以上ある在外公館の中でも、管轄圏内に最も多くのパンダが存在しています。和歌山県にあるアドベンチャーワールドは、中国を除いて、パンダの飼育数も誕生したパンダの数も最多です。神户の王子動物園には、日本に来て20年以上になるメスの「タンタン」がいます。
「パンダ外交」はすでに当館の輝く名刺となっています。当館では、誰もが「パンダ外交」の主役であり、私は「パンダ総領事」と呼ばれることもあります。また、当館には特別職員であるパンダマスコットの「パンパン」がいます。彼女は厳しいコロナ禍にあって、当館を代表して友好交流活動に出掛けてくれています。さらに、職員が制作した十数種のパンダのオリジナルグッズがあり、日本の友人たちにも好かれています。
日本全国には多くの「パンダファン」がいて、皆さんの真摯なパンダ愛には感動しています。パンダは友好の使者であり、総領事である私よりも先輩で、貢献度も甚大でしょう。私は就任以来、何度もパンダの誕生会に出席したり、祝福のメッセージ動画を制作したり、動物園も訪問してきました。明年は新たな試みとして、特別職員の「パンパン」がホスト役となって、管轄圏内の2府12県の「マスコットキャラクター大集合のイベント」を開催したいと思います。先日、私は神戸の王子動物園を訪問した際、「タンタン」ファンの皆さんに向けて、願いを込めて「パンダ愛から人間愛へ」とメッセージを書きました。「友好の使者」である国宝のパンダが、生きたオモチャではなく、真に中日友好の懸け橋となることを願っています。そうすることで、長い間故郷を遠く離れた苦労も報いることができると思うのです。私は以前、テレビで「中国のパンダはいいけど、中国人はちょっと……」と話す人を見たことがあります。日本で暮らすパンダやパンダファンが、このような話を耳にしたら、どんなにか心を痛めることでしょう。日本の友人たちには、パンダを見るような優しいまなざしを中国に向け、これからも両国民衆の相互理解と友好の増進のために力を貸していただきたいと願っています。
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