中国紙・参考消息（電子版）は3日、韓国について「中国経済回復による恩恵を期待している」とする記事を掲載し、香港英字紙サウスチャイナ・モーニング・ポストの1日付報道を要約する形で次のように伝えた。

韓国の1月の貿易収支が月次ベースで過去最悪の赤字を記録する中、秋慶鎬（チュ・ギョンホ）副首相兼企画財政部長官は1日、中国の経済活動再開が韓国の貿易収支改善に役立つだろうと述べた。

一方で、中国の経済回復は米国による技術封じ込めの強化により危うくなる可能性があり、それが韓国の中国向け半導体輸出を圧迫することになるとの分析もある。

秋氏は「1月の輸出入データは、韓国経済が依然として厳しい寒波の真っ只中にあることを示している」「1月を過ぎ、季節的要因が縮小し、中国の経済活動再開効果が時差を置いて反映され、貿易収支は次第に改善されるものとみられる」などとし、パンデミックによる中国の経済活動の混乱が、1月に韓国の貿易収支が悪化した主な理由の一つだと述べた。

企画財政部の報告書は、中国への輸出が世界経済の減速と半導体価格の下落により大きな打撃を受けたと説明している。世界経済の減速は中国の輸出に打撃を与え、それが韓国と世界第二の経済大国との貿易にも影響した。

半導体価格の下落も、韓国の対中貿易収支を圧迫している。自動車からスマートフォンまでさまざまな製品に不可欠な小さなチップは韓国にとって最大の輸出品目だからだ。韓国が昨年輸出した半導体の40．3％が中国向けだった。

中国への技術輸出に対する米国の制裁が強化されているため、韓国の半導体メーカーは別の試練に直面している。INGエコノミクスの上級エコノミスト、カン・ミンジュ氏は、「中国の経済活動再開が韓国の半導体産業にもたらすプラスの波及効果は限定的だ」とし、「中国の経済活動再開と携帯電話需要の回復を背景に、市場は最終的に改善するだろうが、韓国の半導体メーカーは、中国への技術輸出に対する米国の制裁強化による別の地政学的試練に直面することになる」と語る。

国際通貨基金（IMF）は今年の韓国の経済成長率の見通しを2．0％から1．7％に引き下げた。IMFのギータ・ゴピナート筆頭副専務理事は先月31日、「（韓国の）成長には回復の兆しが見られるだろうが、それは中国の回復によるものだ」と述べている。（翻訳・編集/柳川）