科学技術振興機構(Japan Science and Technology Agency、略称JST)は、日本の科学技術政策を推進することを目的として設立された文部科学省所管の国立研究開発法人である。変容著しい世界の科学技術を見据えながら、日本のイノベーションを推進先導する同機構の濱口理事長にその抱負を語っていただいた。(聞き手は人民日報海外版日本月刊編集長・蒋豊)
<科学技術の4つの役割>
――まず、科学技術振興機構の設立目的と主な取り組みについて教えていただけますか。
濱口:文部科学省の下で、いわゆる研究費を提供しているところは、日本学術振興会(Japan Society for the Promotion of Science、略称JSPS)と科学技術振興機構です。この2つは、役割が大きく分かれています。日本学術振興会ではキュリオシティ・ドリヴン(curiosity driven)、要するに研究者1人1人の「好奇心」をとても大事にしています。人間が持っている基本的な好奇心が原動力になって科学をつくっていく作業を、日本学術振興会はサポートしています。だから基本的には個人ベースで、研究者の純粋な気持ちが一義的な出発点になっています。
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