新型肺炎の拡大阻止で日中関係が好転

日本華僑報    2020年2月17日(月) 16時0分

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年が改まって以来、中国では新型コロナウィルスによる肺炎が猛威を振るっている。

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華春瑩報道官は日本で人気がある。文字は顔のようで、声は心を動かすという。華春瑩報道官の日本に対する謝意の表明は瞬く間にネット上の話題になり、日本中のさまざまな端末の画面に拡散され、日本列島を駆け巡った。2月5日には日本の主流メディアでも「感動」、「感謝」というタイトルで報道された。

中日関係史において、「感謝」という共通の言葉は普段ほとんど見られないし、その意味は重い。40数年前、中国が改革開放政策を実施した際、日本は日本円による政府開発援助(ODA)の形でサポートし、大きな成果を上げた。しかし、この資金を使った建設プロジェクトの完成後、中国側からは「ありがとう」の言葉はあまりなかった。長い間中日友好活動に従事している著名人は、恨みを込めて「日本は中国に『申し訳ない』と言わず、中国は日本に『ありがとう』と言わない」と語った。

明らかに中日交流史において、「歴史」は「今日」に深く影響を及ぼしており、「今日」と「歴史」は複雑にからみあっている。いかに暗い歴史を深く心に刻みつけ、歴史の教訓を汲み取り、光り輝く責任のある歴史を創造するかが、中日両国間に存在する重要な課題となっている。

2月10日、安倍首相の後継者と目される自民党岸田文雄政調会長は、以前大臣を務めた外務省、厚生労働省などに赴き、肺炎拡大防止に従事する職員等を激励した。岸田氏は「皆さんが寝食を忘れて仕事をしていることに心から感謝する」と述べ、職員たちにインスタントラーメンと栄養ドリンクを差し入れた。このニュースは実際、日本政府の多くの公務員たちが国境を超えて肺炎拡大の防止という戦いに身を投じているという重要な情報を浮かび上がらせた。


2月12日、松山バレエ団は新型肺炎と戦っている中国国民に動画を通じて深い哀悼の意を表した。清水哲太郎総代表、森下洋子団長と団員らは中国の国家を歌い、「私たちは中国を愛しています!武漢がんばれ!中国がんばれ!人類がんばれ!」とエールを送った。


先日、中国大使館のホームページでニュースが発表された。日本社会の中国に対する大きな支援を示したものである。そのニュースでは、2020年2月7日までに、日本の各界からはマスク633万8000枚、手袋104万7000組、防護服とアイソレーションガウンは17万9000着、ゴーグルとフレーム7万8000個、防護帽1000個、靴カバー1000枚、防護靴3000足、大型CT機器1台(300万人民元、約4180万円相当)、体温計1万6000本、消毒液1.15トン、消毒粉末1トン、消毒用品2000個、累計の寄付総額は3060万2000万人民元(約4億8200万円相当、このうち約4億7525万円相当は人民元、675万円は日本円)に上った。


中国からの留学生・王琴さんが、マスク購入にまつわる話を聞かせてくれた。彼女がマスクを買いにドラッグストアに行くと、日本人の店長に購入制限をしていると言われたが、マスクは中国に寄付するためだと英語で告げると、店長は購入制限をなくしてくれ、さらに「明日の朝9時半にマスクが入荷するので、優先的に購入してかまいません。あなたが買わない分を販売しますから。うちの店は3店舗あるので、もし必要があれば私に連絡してください。頑張って!」と言ってくれた。彼女が清算を済ませて帰ろうとすると、日本人の高齢の男性が「おじゃましてすみませんが、あなたは中国人ですか」とやさしく聞いてきたので、うなずいて「はい」と答えると、男性は買ったマスクを彼女に渡して「今買ったばかりのマスク3袋ですが、差し上げますので受け取ってください」と言い、さらに中国語で言った。「中国加油!武漢加油!」。

このような感動的な、心温まるエピソードは今の日本社会の至るところで見られる。

日本に30年住む華人メディアの記者である私は、2008年の四川大地震の際に日本がいち早く救援隊を派遣したことを思い出した。日本の救援隊が現場で亡くなった人に頭を下げて黙祷している写真は長い間画面に取り上げられた。また2011年の東日本大震災の際、中国は迅速に救援隊を派遣し、彼らは停電して真っ暗な岩手県の被災地に入り救援活動をおこなった。


「救援外交」は中日関係の中でホットなキーワードとなっている。それは、中日両国社会の現実――災害時に現れ、中日関係の最新の課題となっており、いかに協力して災害に対応し、共同で疫病に立ち向かうという新時代の中日関係を構築するための切り口を増やしたのである。

外務省関係者によると、現在日本側は春に習近平国家主席を国賓として日本に迎える準備をしており、それには中日両国の指導者が署名する政治文書の準備も含まれている。今、日本側は習近平主席の提唱する「人類運命共同体」建設の重要性を深刻に受け止めており、今後中日両国が疫病の拡大防止で協力するという内容も入れたいとしている。

このたびの新型肺炎の流行は、明らかに中日関係の政治主導と制度設計をさらに触発した。歴史がそれを証明するだろう。(提供/『人民日報海外版日本月刊』)

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