Record China 2019年6月3日(月) 9時30分
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元駐中国大使で、公益財団法人日中友好会館顧問である谷野作太郎氏に、これまでの日中関係と今後の方向性、習主席訪日への期待、そして日中科学技術交流の重要性などについてお話を伺った。
中国の人たちはよく、「和則両利、闘則俱傷」、「相争則傷、相輔則栄」と言います。このことは、日中関係に最も当てはまると思います。
日中関係には、引き続き、多くの日本の国民の関心が集まっています。近く離任する程永華大使の送別のパーティには、安倍首相をはじめ、日本の各界から1000人を超える人々が参集しました。また、新天皇、皇后両陛下は離任の挨拶のため赴いた大使ご夫妻とお会いになり、長年の労をねぎらわれました。新しい駐日大使として赴任する孔鉉佑大使も程大使同様、日本通として知られた人ですので、ご活躍をご期待したいと思います。
<リーダー同士が会って信頼関係を深めることが重要>
――6月末に日本で開催されるG20に中国の習近平国家主席が出席する予定ですが、国家主席に就任して以来、初めての来日となります。習主席の訪日にどのようなことを期待されますか。
谷野:せっかく始まった日中関係の歯車の動きを止めてはなりません。日中問題において、特に大きな役割を担うのは、両国の政治のリーダーたちです。そして、その際、リーダーに求められるのは、強い政治的リーダーシップと移ろいやすい折々の世論に流されない大いなる勇気と志です。
その意味で、両国の政治の最高レベルの方が、ひんぱんに会って、お互いの間の温もり、信頼関係を確かめ合い、そのことをそれぞれの国民に見せてゆくことが必要です。
戦後、ヨーロッパ、とくにドイツとフランスにおいては、それぞれの政治の指導者が、長年にわたってそのような努力を積み重ねてきました。その上に今日のヨーロッパ、EUがあることを私たちは知っています。もっとも、そのEUも最近、英国のEUからの離脱問題をめぐってゴタゴタしていますが…。
6月の習主席の訪日は、G20という国際会議参加を目的としたものです。従って、この機会に、安倍総理との間で十分時間をとって、いろいろと話し合うことはむずかしいでしょう。また、日本の地方への訪問も時間的制約もあってむずかしいかもしれません。とすれば、習主席には、早ければ、今年中にも機会を改めて、日本政府の国賓として、再度日本を訪問していただきたいと思います。
<日中が科学技術の分野で新しい世界を切り開く>
――急速に経済発展を続けてきた中国は、近年、科学技術の分野でも存在感を着実に増しています。日本と中国との科学技術交流の重要性について、どのようにお考えですか。
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