中国の発展は日本、アジア、世界の利益―谷野作太郎(日中友好会館顧問、元駐中国大使)

Record China    2019年6月3日(月) 9時30分

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元駐中国大使で、公益財団法人日中友好会館顧問である谷野作太郎氏に、これまでの日中関係と今後の方向性、習主席訪日への期待、そして日中科学技術交流の重要性などについてお話を伺った。

谷野:近年、中国の科学技術の発展には目覚ましいものがあります。特に、昨今よく話題になるIT(情報技術)、5G(第5世代通信技術)、そして宇宙開発、原子力開発などの分野です。

科学技術の分野における論文の数で、中国は米国のそれを抜いてトップに躍り出たと言われていますし、人材育成、起業、研究開発を支援する上での日本では及びもつかないほどの潤沢な予算を投入しています。また、ものごとを進める上での「選択と集中」、スピード感、そして、風通しの良い産・官・学の取り組みをしています。

一方、日本は「基礎研究」の面では、まだまだ一日の長があるということです。とすれば、科学技術の分野でも日本と中国は相協力して、新しい世界を切り開いてゆくことができるのではないでしょうか。

現在、日本の国立研究開発法人「科学技術振興機構」(JST)が、「さくらサイエンスプラン」(日本・アジア青少年サイエンス交流事業、さくらサイエンスセンター長は元東京大学学長の有馬朗人氏)と銘打って、中国の若手科学技術者との交流を進めています。

今のところ、センターの活動の中心は、1・日本において中国の科学技術情報の収集と日本向け発信、2・日本の科学技術や経済・社会情勢について中国向け発信、3・日本と中国の若手科学技術者の交流(日本の招へい)が活動の中心です。

私もセンターの評議員の一員として参画していますが、3について、単なる「交流」だけでなく、一歩進めて「日中共同研究」の世界にどんどん進んでほしいと激励しています。

習主席は、中国経済の持続的成長のためには、「イノベーション(創新)」がもっとも大切だと言われています。中国では、党がすべてを差配するというやり方の下で、他方、その間にあって、間断なきイノベーションを創出してゆくという、その二つのことを、どこで折り合いをつけていくのか、その辺のところを関心を持って見守ってゆきたいと思います。

ともあれ、中国の発展、繁栄は間違いなく日本、アジア、世界の利益です。中国には国際社会の一員として、世界の祝福を受けながら、それに向けての道を進んでほしいと願っています。(提供/人民日報海外版日本月刊)

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